• 平戸矯正院

睡眠について

最終更新: 2019年8月3日

睡眠のメカニズム

 脳は生体内で最も酸素消費量が多く、エネルギー源としてグルコース(ブドウ糖)を消費します。主に脳の疲れを取るのが睡眠で、睡眠中に老廃物や活性酸素を除去していると考えられています。また、睡眠中はからだを作る成長ホルモンの分泌も活発にされています。長時間に及び体力を消費して活動すると疲労して眠くなりますが、疲労伝達物質(脳に疲労を伝え眠気を誘発するような物質)の存在については明確に判明していません。




レム睡眠とノンレム睡眠

 覚醒および睡眠中の脳波を測定すると、以下の4つの波形が観測されます。

アルファ波:安静時

ベータ波:覚醒時

シータ波:うとうと時

デルタ波:深い眠りの時

レム睡眠というのは眠っているが脳波は覚醒した状態で、安静中は上転している眼球が上下に急速な”運動”を起こしています。レム睡眠時に覚醒させてみる実験では夢をみていたため、”夢を見ている時の眠り”と考えられています。ものを見ている時というのは後頭葉の視覚野にラムダ波という脳波が出現するのですが、レム睡眠時にはこのラムダ波が出現しており、目は閉じていても視覚のイメージが生まれているようです。レム睡眠以外の深い眠りをノンレム睡眠といいます。一晩の睡眠中、ノンレムとレム睡眠を交互に3~6回反復しています。レム睡眠の生じる理由ですが、大脳を活性化する眠りである(記憶を整理している)と推察されています。


体内時計

 地球上の生物は自転(約24時間周期)の中で生きており、明⇔暗の世界に適応するために進化してきたため、体内時計=概日リズム(サーカディアンリズム)を持つようになったと考えられています。哺乳類では視神経(視交叉上核)に明暗の情報を受け取りリズムを整える体内時計があるとされ、夜行性ラットの視交叉上核を破壊すると行動のリズムが無くなることが分かっています。また、アルツハイマー病患者の視交叉上核は神経の数が著明に減少しており、夜間徘徊の要因ではないかと考えられています。旅行者にみられる”時差ぼけ”というのは明暗の情報を逆転され、からだの活動リズムが同調していない状態です。


メラトニン

 メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、間脳の松果体から分泌されます。働きとしては生殖腺刺激ホルモンの分泌抑制と睡眠の誘発(心拍数減少・血管拡張・体温低下・消化管の活動減少)で、メラトニンの合成は暗期に限られています。体内時計である視交叉上核が信号を出し、セロトニンからメラトニンが合成されています。うつ病(ストレスなどによるセロトニン不足が原因と考えられている)の症状に”不眠”があるのはこのためだと考えられます。うつ病の症状には性欲・食欲減退もありますが、メラトニンの働きは性行動亢進と相反していることから、視覚刺激や嗅覚刺激を受け取る大脳辺縁系(情動脳)や視床下部周辺にある内側視索前野(性的覚醒中枢)の働きの問題が考えられます。食欲減退に関しては視床下部に摂食および満腹中枢があり、血糖値の増減に伴い2つの中枢が働いていると考えられているのですが、血中ブドウ糖の変動や胃の収縮伸展情報は延髄→視床下部→大脳辺縁系(情動脳)→大脳(意識)という流れで伝わると思われ、性欲と同じく情動脳の関わりが考えられます。




参考文献


新井康允(2014)

『脳科学論』

人間総合科学大学.


本多和樹(2003)

「睡眠と睡眠物質」

化学と生物 Vol.41 2003


近藤一博(2012)

「慢性疲労症候群

ーウイルスとの関わりと精神症状

に関する新知見」

女性心身医学 Vol.16.


龍野正実(2007)

「メモリーリプレイと記憶の固定化」

生物物理47.




 

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