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社会心理学(集団心理)

 人間は数百万年前に二足歩行を始めましたが、当時は肉食獣にとっては格好の餌食であったため、集団を作ることで外敵に対抗し進化してきたと考えられています。現代でも人間は集団で生きている社会的な生き物であるため、個人間のみならず、個人と集団とや、集団同士での相互作用があります。社会心理学では約100年前から様々な研究がされてきました。今回の記事では「買い占め」と「皆で渡れば怖くない」の心理について書いてみます。


 【買い占めの心理】

 アメリカの心理学者であるマズローの理論によれば、人間の欲求は5段階に分けられるそうです。下位の段階から上位へと欲求が成長するという考え方です。

①生理的欲求

②安全の欲求

③所属の欲求

④承認の欲求

⑤自己実現の欲求

①は食欲や睡眠欲などで、②は命を脅かされないという欲求になります。もしも災害が起きて食料が手に入らない(命が脅かされる)事態が予測された場合、人間は生理的・安全の欲求を満たそうと行動するのは当然と考えられます。ちなみに③は集団(学校・会社・仲間など)に属したい欲求で、④は社会的に認められたいという欲求、⑤は自分自身が持つ能力を最大限に発揮したいという欲求になります。これら上位の欲求は下位の欲求が満たされない場合は生じにくいと考えられています。





 【皆で渡れば怖くないの心理】

 集団意思決定というのは個人で決定した場合よりも、決定内容がリスキーなもの(もしくは消極的なもの)に偏る傾向があることが分かっています。また、多元的無知といって、他者の行動から間違った判断をしてしまうこともあることが分かっています。例えば駅の構内でとつぜん煙が出てきたとします。しかし帰宅時で混雑しており、早く電車に乗りたいがために誰も避難しようとしていなかったら、もし自分ならどう行動するでしょうか?(このような状況下での実験では回避行動を取りにくい傾向がみられました)。

 外出制限中でも不急な集まりに外出してしまう心理も同様で、個人なら控える行動でも、集団になると行動に移してしまうことがあると考えられます。また、親密な関係性の集団ではリスキーな決定に偏りやすいことも分かっています(集団的浅慮)。


 買い占めをしないことは自らの命を守る行動とは反するように思えますが、人間は社会的な生き物であるため、個人レベルでの得(損)が集団レベルでは損(得)になることがあります。例えば割り勘だからといって皆が高いものを頼んだら、結果的には全員の支払額が増えてしまいます(社会的ジレンマ)。しかし人間は社会を作り協力することで進化してきたと考えられ、罰や報酬がなくとも利他的行動(自らが損をしても他者のためにする行動)をするとも考えられています。

 不要な買い占めをしなければ他に買える人が増えます。不急な外出をしなければ感染拡大のリスクを減らすことが出来ます。これらは援助行動に当たり、援助行動の方法を知っている人は、緊急時に援助行動を起こしやすいことが分かっています。

 

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