• 平戸矯正院

高齢者の心身の特徴

最終更新: 1月3日

 一般に65歳以上を高齢者といいます。近年は「人生100年」とも言われているように、高齢者をひとくくりにするのではなく、65歳~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者というように区分しています。2019年時点での国内の高齢化率(65歳以上の人口/全人口)は約30%とされており、今後も増加していくと予測されています。




 高齢者の身体機能の特徴としては、①筋肉②骨格③感覚器④免疫系⑤血圧⑥呼吸や消化などの面で総じて機能低下がみられます。

 ①60歳を越すと運動神経の数が急減し、筋肉の中でも強い力を出す線維である速筋(そっきん)に萎縮が起こりやすいとされています。そのため日常生活では、「重い物が持てない」といった問題が出現しがちになります。また、運動反射にも延長がみられ、急な障害物によって「転倒する」といった危険性も高まります。

 ②骨も高齢化に伴い弱くなります。とくに女性ではホルモンの影響によって骨粗しょう症が生じやすくなります。運動をすることで骨の弱化は予防できますが、高齢になると関節の軟骨部が変性しやすいので、激しい運動は厳禁となります。骨を丈夫に保つには、適度な運動に加え、カルシウムやビタミンを食事で十分に摂取することも大切です。

 ③感覚器というのは視覚・聴覚・平衡感覚・味覚・嗅覚・皮膚感覚などで、高齢化にともない総じて機能低下がみられます。

・視覚:視力低下、老眼、白内障

・聴覚:老人性難聴

・平衡感覚:半規管の機能低下で-

・味覚:塩味を感じにくくなる

・嗅覚:嗅ぎ分ける能力が低下

・皮膚感覚:温度への感受性低下

これらから、交通事故リスク・運動能力の低下・高血圧リスク(塩分の摂り過ぎ)・嗅覚の低下による食欲減退・風邪や火傷などといった問題が生じやすくなると考えられます。

 ④高齢化に伴いリンパ球の働きが低下することで、感染症や発癌リスクが高まると考えられています。

 ⑤高齢になると血管の弾力性が低下することで一般的に血圧が高くなります。また、からだの働きを無意識に調節している交感神経の緊張が強くなることが血圧上昇の要因の一つになります。一方、血圧調整を行っている血管壁の受容器が上手く機能しなくなるため、食後や起立時に「低血圧」が生じやすいとされています。交感神経の緊張に関しては、皮膚への触刺激によって交感神経の緊張が抑制されたという研究結果があります。

 


 ⑥呼吸器系も加齢に伴い衰え、60歳の人の肺活量は20歳の時の8割ほどになります(息切れを生じやすくなる)。消化機能にも低下がみられ、消化管の運動能力の低下のほか、胃液の分泌量は20歳の時の4割ほどになります。しかし栄養所要量(からだを健康に保つために必要な栄養素の量)は成人の時とあまり変わらないため、食があまり細くなると筋力低下や骨の脆弱性などにつながっていきます。高齢になると炭水化物が吸収しにくくなるとされています。


 高齢者の精神機能の特徴としては、①知能②記憶③欲求④感情面などから考えることができます。

 ①高齢になると新しい環境に適応する際の知能(流動性能力)は低下するものの、過去の学習や経験に基づく知能(結晶性能力)は蓄積・維持されていきます。

 ②短期記憶(すぐに忘れてしまう一時的な記憶:例えば新しくできたお店に予約したときの電話番号)の記憶力は成人の能力と変わりませんが、長期記憶(短期記憶が(脳の海馬や小脳に)転送されたもので、数分~一生忘れずに覚えていることができる)は増えにくく、長期記憶からの情報の取り出しも不正確になってきます。高齢者の記憶低下は個人差が大きいと考えられており、日頃から知識欲が高いと記憶の低下が少なくなるとされています。また、注意にはその過程に記憶が必要であることから、新しい記憶が要求される場面では記憶力の低下が注意力の低下として現れてきます。

 ③食欲・性欲・睡眠欲といった生理的欲求は加齢による影響を受けにくいとされています。とくに睡眠欲に関しては、高齢になると深い睡眠相が消失する(夜間に目が覚めやすい)ことから欲求が強まります。社会に認められたいという社会的欲求に関しては、定年制度の延長や寿命の延伸によって社会参加への機会が増えていることから、個人差は当然あるものの高いまま維持されるのではないかと考えられます。

 ④高齢者の性格は一般的に「悲しみがち、不安がち、怒りっぽい、寂しがる」と言われてきましたが、実際にはアクティブに円熟傾向を増す・名誉欲が強まる・病気によって二次的な感情障害が出現する、など多様であり一概には言えません。研究者によっても性格が高齢化によって変化するという考え方と、ほとんど変化しないという考え方とが混在しています。その理由としては性格には本来備わっている部分と、環境(個々人の生活により異なる)から影響を受ける部分とがあるためです。世の中に自分自身と似た人はいても、全く同じ人はいないと言えるかと思います。

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